世間から隔離された狭い世界(シェルター)の中で25年間両親と仲良く暮らしているジェームス。彼の唯一の楽しみは、ブリグズビーベアの新作ビデオを見ること。寝ても覚めてもブリグズビーベアのことばかりを考えている。
この独特な雰囲気に違和感を感じつつもその世界観に馴染もうとしていた矢先突然警察(宇宙警備隊かと思った)が現れ、彼らは身柄を拘束されてしまう。
この時点で既に私の心はジェームスのもの。
以外ネタバレ
てっきりジョルジュ・メリアスの月だと思っていたものは太陽だったように、両親だと思っていた人たちが実は誘拐犯だったことを明かされる。
戸惑いながらも新しい人生を歩み始めるジェームス。25年も人生を奪われておきながら、誰を恨むこともないジェームズのちょっと惚けた純粋さに惹かれる。彼にとっての25年間は喪失なんかじゃなく、かけがえのないものだったことを知っていくにつれ徐々に心は晴れてくる。やがて彼は本当の世界の中で、本当の家族と、虚構と現実を結び合せたたったひとつの世界を作り上げていく。
オープニングからエンディングまで、ファジーな温もりに包まれて心の底まで暖かくさせてくれる素敵な作品。
麗しの星アリエルとのカフェでの再会シーンが最高に素敵なのと、あとマークハミルのナレーション。もちろん倫理観は問わない(笑)
