正直言って、餃子の街、宇都宮のPRのような作品だったが、案外に面白く観てしまった。バツイチ、シングルマザーの主人公の陽子が、東京から故郷の宇都宮に帰って、休業している実家の餃子店を再興する話なのだが、何が良いかというと、主人公を演じる足立梨花が、役に見事にハマっているのだ。後半では、地元のアイドルグループなどの歌や踊りも登場し、イロ物的色彩も強いが、ラブコメとしてもなかなか成功している。
「キスできる餃子」がどんな味なのかはわからないが、身を隠して主人公に接していく田村侑久も悪くない。監督は「HERO」や「救命病棟24時」、「ドラゴン桜」などのテレビドラマの脚本で人気を集めている秦建日子、これが映画監督の2作目らしいが、悪くはない。ただ、あまり登場する餃子が美味しそうに見えなかったのは、残念。もう少し、宇都宮に出かけてみたくなる作品であれば、地元の人も喜んだのにとは、いらぬお世話だろうね。
