ピポサル

007/ノー・タイム・トゥ・ダイのピポサルのレビュー・感想・評価

4.4
007色に染まったミッドタウン日比谷で待ちに待った新作を観るとやっぱりボンドは色気を振りまきながら俺たちの期待に応えていってくれるので、洋コンテンツでここまで盛り上がっているのも珍しい気がして、観ていて嬉しいという感情がこみあげてくる。

今までのダニエル版ボンド映画にはなかったボンドの死と新たな生、ここまで踏み込んでいいのかなと思ったりもしたけど終わり方としてよかったのではと思う。そこに至るまでお話の都合がよいと感じるところもあるけど...

これまでのシリーズとは打って変わって静かに幕を開ける。回想を経て世界遺産?のイタリアに舞台は切り替わり、ジェントルマン然としたボンドとマドレーヌの幸せそうな時間も束の間、唐突な爆破で007を観ていることを思い出す。前作スペクターは性的モチーフが多く際どかったのか、オープニングクレジットはちょっと地味。
ジャマイカでのアナデアルマスとの共闘は前半のピークと言っていいほど見応えがある。初々しさがありながらも戦闘においては頼りがいのあるキャラクター、そしてアクションはもちろん合間のユーモアも最高。ストーリーの起点となる意表をつくような出来事もあって観ていて純粋にワクワクした。
MI6メンバー総出で対処にあたるけど、個人的にはサラリーマン感の強いタナーを推したい。

サフィンのアジトであるヘラクレスを製造する島、完全にブレードランナー2049じゃねえかと思ったけど、映画の一番最初の空撮もそういえば似ていた。次世代への継承みたいな意味ではダークナイトライジングっぽさもある。音楽もハンスジマーだし。

アクション、色気、ウェポンギミック、そしてアストンマーチンに限らない乗り物。ボンド映画のお作法をきっちり踏襲しつつひとつのシリーズを綺麗に締めていて満足。ダニエルクレイグ版しか知らないけど、自分にとってのジェームスボンドはダニエルクレイグだと再認識。めちゃくちゃかっこいい。
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