Jin

顔たち、ところどころのJinのレビュー・感想・評価

顔たち、ところどころ(2017年製作の映画)
3.6
”顔が人生を語る”



映画監督アニエス・ヴァルダとアーティストのJRがフランスの村を周り、人々の物語を掘り下げながら顔の写真を撮影。それをあらゆる壁に貼って行く。出会いと顔に向き合ったドキュメンタリー。


ドキュメンタリーだけど、脚本の入った物語みたいなところもあって不思議な映画だった。
最初は凸凹な二人が人々の話に耳を傾けながら、各地で大きなアートを作って行くっていう話かと思った。
写真アートがとにかく良くて、人々の顔が多くを語る凄さを見せつけられた。そして出会いの美しさも。それはすごくリアルだった。

でも段々、二人の人柄と思い出を掘り下げていく話に変わって行く。
老婆アニエスの柔軟な心と、JRの優しいユーモア。老いと、美しい思い出。
老婆とサングラスのおじさんが、仲良く温かく話しながら旅をしていく物語へ。

どこまでが脚本なのかわからない面白さがあった。
最後のゴダールのエピソードは映画の世界の延長みたいで不思議な感じだった。
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