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コードギアス 反逆のルルーシュIII 皇道(おうどう)のtakのレビュー・感想・評価

3.8
長男が高校生の時、同じクラスに外国人の男子がいた。彼は「日本が嫌いだ」「日本の文化なんて」みたいな文句を口にして、周囲に当たり散らすことがあるらしい。ある日、いつものように日本バッシングをしていた彼は、見下すようにこう言った。
「この"イレブン"どもめ」
…"イレブン"って、「コードギアス」で統治下の日本"エリア11"の日本人を指す呼び名。日本カルチャーしっかり知ってるじゃん!「コードギアス」好きなんじゃん!w

劇場版第3作。ナナリーを守るために朱雀に頭を下げるルルーシュ。朱雀からの厳しいひと言。だったら今までの嘘を本当にしてみろ。世の中を裏切って人々を踏みにじってきたゼロが正義の味方だったと示してみろ。立ちはだかる巨大な壁、人物。変わり続ける勢力図。ルルーシュが目指すゼロ・レクイエムとは。

30分刻みで壮大なクライマックスを見続けたテレビシリーズを、こうやってつないでくれると没入感がハンパない。天空の要塞ダモクレスとの攻防戦。ぶつかり合う思い。場面と人物が変わりながらもそれぞれの主張が激突する場面の緊張感。シュナイゼル対ルルーシュの空中大戦争をじっくり見せた後で、衝撃の結末へとなだれ込む。テレビシリーズで観てはいるけれど、改めてつないで観ると、いい場面がいっぱい。駆け足だが、登場人物を絞っていながら、ジェレミアやディートハルトの肝心なところはきちんと押さえているのは努力の跡。シャーリーの扱いが変更されているのはちょっと嬉しい。テレビシリーズでは、ちょっと悲し過ぎたから。

最後に示される物語の結末。その為に世の憎しみを一身に集めたルルーシュ。エンドクレジットで映されるのは、学生服姿のルルーシュが窓から外を見ているような姿の写真で、彼の表情をうかがうことはできない。それは世間の人が本当の彼を知ることができなかったことを示しているようでもあり、世界の明日を遠いところから見守っているようでもある。

最後に意味深なC.C.のひと言。
近日中に「復活」に挑みます。
tak

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