玉造

コンプリシティ/優しい共犯の玉造のレビュー・感想・評価

3.6
窃盗シーンから始まる。
日本に不正入国した中国人チェン達が斡旋業者から仕事をもらい、盗みを働く毎日…という設定なのかと思っていたが、どうやら実習生として日本に来たらしい。

真面目な青年チェンはこの生活に何とか抜け出したいと思っていたが、何とか他人を装い蕎麦屋で働くことに。そこで寡黙だが蕎麦を打つ仕事に誇りを持って働く店主弘と優しいその娘香織。そし不思議な魅力の葉月。
チェンの心が次第に解れていく。

弘役の藤竜也がいい。
大人しいが真面目なチェンを息子のように可愛がるように。(息子はいるが、継がずに閉店を迫る)不器用でぶっきらぼうだが、愛情ある人柄を何とも言えない可愛さ?で演じている。

チェン役のルー ユーライもいつ捕まるか分からない日々に怯えながら毎日を過ごす不安定な気持ちを表情や仕草で、ついかばいたくなる。
中国に残した母や祖母とのシーンも口うるさい祖母がなけなしのお金を持たせる所は泣ける。

実習生で来日したのに、なぜ辞めて不法滞在者になったのか描かれずイマイチ良く分からなかった。
実習生に日本人が虐めたり、見下したりという問題があるという。それも描いた方が良かったのでは。

チェンはどこへいくのか?
本当の名前を叫んで。

ルー ユーライ。20代後半かと思いきや何と当時37才!
玉造

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