ソン・ガンホのコミカルな演技、エモーショナルなバディものというエンタメ要素によって、事実の悲惨さが緩和されるというより、より際立っているようにも感じる。
なぜ白旗をあげる市民を、怪我人を運び出そうとする市民を、丸腰の女子供にまで発砲するのか、狂っているとしか思えないし全く意味がわからない。武力というかもはや何の政治的ポリシーもなく単なる暴力装置と化した軍。これが真実なんて。あまりにも悲惨で愚かな行為、実話なだけに見てて本当に辛い。
タクシー運転手、父娘ふたりの貧しい生活をすこしでも楽にしようと高額報酬の仕事をちょっと横取りしめしめ…のはずが、シャットアウトされていた現地事情知るはずもなくとんでもない状況に巻き込まれ、一人残した娘のことが心配のあまり離脱しようとするが、泣く泣く良心に従って引き返し人としての誠意ある選択をするんである。
タクシー仲間の命がけのカー・アクション泣。「タクシー運転手」がこれ程までに命がけの職業だったなんて誰が想像する？異常事態。
骨のある報道陣の闘いぶり、
関門に配置されていたひとりの兵士の密やかな人間味については記録しておきたい。こういうことだよ。
光州事件について少し調べてみたが、そもそも何故ここまで事態が悪化してしまったのか、、全く意味不明の理解不能。一握りの独裁的指導者による無意味で暴力的な圧政の結果でしかないのでは。他国のことと油断しちゃダメよ、自分の頭でちゃんと考えないと。
歴史的に繰り返される愚行。
