ゆき

タクシー運転⼿ 〜約束は海を越えて〜のゆきのレビュー・感想・評価

4.1
何が変わる?

1980年5月。韓国、光州。民主化を求めた市民達の戦いを伝える為、危険な現地に向かったドイツ人記者と彼を送り届けた一人のタクシー運転手を描く。

作品を通じて過去を知ることはとても多い。
国としては恥じるべき事実だ。「市民軍」に民衆を変えてしまったのは弾圧政治以外の何物でもない。
事実を伝えるべく迷わず現地に行った記者はもちろん称賛されるべきだけれど、戦渦の中で外に事実を持ち出す術を見出した市民はきっちり未来を繋いだ勇者だ。
嬉しい涙も感動の涙もあったけれど、鑑賞後のもやっとした違和感は悔しすぎて止まらなかった涙のせいだと思う。
こんなにもポップな「タクシー運転手」のフライヤーの背後にはいろんな葛藤が隠れているとは気付かず足を運んでしまった。
でもこの作品は観て良かった。”良い”作品ですよとは勧められない。”知るべき”作品だと人には勧めたい。
同じ題材を描いた「1987、ある闘いの真実」も早く目に焼き付けなければ~
ゆき

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