みきちゃ

犬猿のみきちゃのレビュー・感想・評価

犬猿(2017年製作の映画)
4.0
「それ言ったら人間関係終わっちゃうんじゃね?」という類いの言葉を発するかどうかのハードルは、相手が血縁者であるというだだそれだけのことでぐんと下がるのかもしれない。親兄弟姉妹など、血縁関係が近ければ近いほどによりハードルは低いがちなのかもしれない。血が繋がってるという事実は、文化によっては切っても切れない関係性を意味したりもするから、何を言っても大丈夫だとたかをくくりやすいのかもしれない。
 
配役めっちゃ良かったー。四人四様に印象的で、誰も飛びぬけて目立ったり、1人に食われたりということも起こらないようにバランスを取っているみたいだった。窪田君と新井さんはもともと大好きで。テラハから見てた筧美和子が見たことないくらい身体はってて新鮮だったり。でもでも、ニッチェ江上!まじ女優!芸人抜擢にありがちな良い味出す脇役かと思ってたら全然すごかった。今後もっと映画でドラマで見かけたい。
 
四人の短所が少しずつ自分に当てはまる。けどけど、家族だからって他人には変わりない。合わない人が家族の場合、ややこしさは激烈に増す。でも別に誰も悪くない。好き嫌い、合う合わない、あるやんね。家族なんだから仲良くしなさいとか、家族なんだから助け合って当然とか、そーゆーのは価値観の乱暴な押し付けだと思う。

兄弟同士で比較しちゃって劣等感~みたいなやつも、周囲が比較して色々思うのを本人が自然に汲んでしまって染み付いちゃう系呪縛なんじゃないのかなあ。ちゃんと独立した個なのにね。

なんせ家族だろうがフラットでいーやんと思ってるので、好みなのはもっとずっと容赦のない展開。キラキラや映えとは程遠い内容が、ちょうど気分にはハマった。吉田監督の遊び心が好き。
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