Ryota

JAGO: 海上の遊牧民族に生まれてのRyotaのレビュー・感想・評価

3.4
インドネシアの海に生きる人の物語。主人公のおじいちゃんが語る中で、感情表現がほとんど出て来ないのが印象的でした。一方で、「精霊が怒る」といったように、感情を超体験的なものに託していたのも印象的。海はほんとに怖いと思う。自然の中では非力な人間が生きる知恵として、精霊とか、アニミズム的なことに感情を持たせて、タブーを作って生きて来たのかなと思う。

あと、他のレビューにある近現代-それ以前という二項対立にはちょっとん、ってなってしまった。このドキュメンタリーが、欧米諸国(イギリス)のある種オリエンタリズム的な、ノスタルジーの眼差しを通して描かれているのはまず理解するけれども、アニミズムが人類の「発展過程」の初期段階にあるといった考えは人の多様性を無視しすぎなんじゃないかと思ってしまった。それで言えばイヨマンテ等、自然界をほんとに大事にするアイヌも原始人、お稲荷とかにお祈りする日本人も原始人になっちゃうんじゃないかなあとか思ったり。んー。
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