らんらん

若桜千両槍のらんらんのレビュー・感想・評価

若桜千両槍(1960年製作の映画)
3.5
東千代之介が見たくて鑑賞、彼の主演作を見るのはかなりしばらくぶり

ということで主に自分なりの東千代之介について語る
オールスターもの以外でのレビューが少ない(というかほぼないw)が、当時はニスケニゾウと呼ばれ同じ東映の中村錦之助、大川橋蔵、そして大映の市川雷蔵に並ぶ時代劇のスターである

ただ現在の評価としては忘れられた存在に等しいかと、後の時代に残る代表作があるわけでもなく、確かにイケメンではあるのだろうが、スマート過ぎるのが印象を薄くしているのかなー

監督、作品に恵まれなかったという見方も出来るかもしれないが、例えば今作では若山富三郎なんか凄い脇役だけど、この当時からあ、若富だ!みたいな隠せない個性がある
東千代之介の主演作も何本か見てきてはいるけど、やはりそんなに印象に残るものはない
つまり役柄とかではなく本人の資質が不足してるのかなー、でも当時スターとして主演作を多く務めたという事実はあるわけで、当時では魅力はあったんでしょう

今作では武芸百般を極めた槍の達人的な役なのですか、あの華奢な体では説得力に欠ける、血糊も効果音もない演劇のような当時の東映娯楽時代劇の中にあっては、それなりの活躍はできたが、、、みたいな気がする
そもそもタイトルに槍ってあるからしょうがないんだろうけど、クライマックスの立ち回り、槍使うのはいいにしても屋内でやる?刀でも屋内では多少差し支えあるのに、槍なんか満足に振るえないでしょと

イメージする東千代之介像としては姿勢が美しくクールで、品があって、うん優等生的な感じですね
現代から見るとどの作品においてもそれを逸脱するようなものはなく、物足りないのかなー

そんなに構えて見ていたわけでもないんだけど、やはり印象は薄い、映画自体がありふれた娯楽時代劇ではあるのだけど、それでも魅せる何かを主役には期待したいから、他の東映主役陣のようなプラスになる個性が薄いかなと

最後に、作品自体は可もなく不可もなく当時の東映時代劇によくある娯楽作品に仕上がっているかと、んーー、それ故に丘さとみも大河内伝次郎も里見浩太郎もみんなそれなり!特に印象に残る、後に残るものではない、見てるときはそれなりに面白いんだけど、すぐに記憶から消えてしまう、そう考えると残念
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