このレビューはネタバレを含みます
わずか30分過ぎとは思えない。すごい脚本・カメラワークだと思った。
保健の先生の良かれと思ってやってる、若干の自己陶酔を帯びた感じの話し方とそれが裏目に出る感じが嫌にリアルだった。
最後のいろんな感情で押し潰されそうな主人公の顔や感情はヒリヒリした。
特にエンドロールと、最後の男の子の変化(自分の好きな人が同性愛者だった戸惑いと彼女を傷付けたことへの後悔が滲んでて演技にリアリティーがあった)のふたつがすごく良かった。
一人でビルの展望台に夜景を見に行ったとき、人に見られないようにこそこそと寄り添う若い男性カップルがいてお、と思った。そう思ってしまうこと自体失礼なんだろうなって後から思った。
冷やかしでもなく嫌悪でもなく、「お、二人で来てるんだ、夜景デートいいな」くらいの気持ちだったけど、きっと男女のカップルだったら周囲の空気と同じくらい意識を向けていなかったとも思う。そういう意味で、ふと注目してしまうこと自体、彼らには失礼極まりなかったな…と。同じ性別でも別の性別でも、愛してるって思える存在がいたら人生それだけでいいのにね。