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カランコエの花のnenecoのネタバレレビュー・内容・結末

カランコエの花(2016年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

登場人物の誰も悪くないから(※幼稚な男子生徒は特にリアル)この結末に対して残念な気持ちになってしまうけど、どんなに偏見は無いと思っていても自分が「当事者」になった瞬間、何を思い何を話すか。

黒板に書かれた文字を見て、慌てて「桜は違う」って言ったのは、一見、桜ちゃんを守るように見えて実は自分に飛び火しないように咄嗟に出た言葉なのではと思った。
学校という狭いコミュニティの中で、自分自身の立ち位置を守りたくなるのは当然だと思う。(これは相手が仮に男子生徒だとしても大勢の前で冷やかされるのは嫌だったりするから…)
自分は桜とは違うんだ、桜に好意を持たれてるけど、自分は周囲にレズビアンとは思われたくない。月ちゃんが強く黒板の文字を消す姿はそんな風に思えた。

その結果としての桜ちゃんへの膨大な罪悪感に共感。自分への恋心も桜ちゃんのアイデンティティも全否定してしまったことに、もう何もかもがツライ。
桜ちゃんの笑顔を観た後で冒頭の部分を観返すと切ない。

観ている途中、「この男の先生かな…?」とか更衣室のシーンで「この女の子か…?」など渦中の人物が誰なのか探ってしまって反省。
たったの40分でこの内容はすごい。
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