ノラネコの呑んで観るシネマ

戦狼 ウルフ・オブ・ウォーのノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

3.8
悲しい記憶を持つ人民解放軍特殊部隊“戦狼”の元兵士が、戦乱のアフリカ某国で、同胞と現地人を守って大活躍。
ただ1を観てないから、あちこちよく分からない描写が。
と言うか、いきなり続編から公開ってどうなのよ。
DVDどこにも置いてないし、せめて事前に楽に観れる様にして欲しい。
売り物のアクションは、カーチェイスから戦車戦までてんこ盛り。
なかなか面白いんだけど、歴戦の戦狼にも関わらず、警戒監視せずに飲んだくれて奇襲を許したり、携帯の信号だけでバラバラの戦車の位置がピンポイントで分かったり、ディテールがかなり雑なのがもったいない。
ストレート過ぎて、思わず吹いてしまったラストの“インフォメーション”を含め、非常に分かりやすいチャイナ万歳のプロパガンダ映画なのだけど、冷戦期のハリウッド製反共プロパガンダ映画と比べると、“敵”の設定など反発を買わないよう、各方面にずいぶん気を使ってるのが面白い。
欧米は真っ先に逃げ出したらしいものの敵対はしてはおらず、敵は現地の反政府ゲリラだが、指揮しているのは国籍不明の白人傭兵隊。
現地政府はそれなりに誇り高く描かれる。
ついでに中国国内の悪徳業者も懲らしめるのだから、もりもりのシナリオを成立させるだけで大変だ。
驚いたのは、本作がアカデミー外国語映画賞の中国代表らしいこと。
いやいや、これはこれで面白いが、中国には他に幾らでも相応しい作品があるだろ(;´д`)
こんなドメスティックな作品を選ぶとは、最初からチャンスを捨ててるとしか思えないんだが、これも政権への忖度?
ところで、最後主人公あんな所で何やってたの?