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スターリンの葬送狂騒曲のメルのレビュー・感想・評価

スターリンの葬送狂騒曲(2017年製作の映画)
3.8
独裁者スターリンの突然の死、周囲の取り巻きたちは次期の権力争いに躍起になる。正に狂騒曲という狂乱、騒乱の大騒ぎ。

「スターリンの大粛清」は言葉としては知っていたけれど、暗殺リストに従って自分の気に入らない人間を毎晩の様に殺して国民を服従させる「恐怖政治」はやはり見るに堪えないものがある。

この国での「邪魔者は殺せ」という政治スタイルはその前もその後も延々と続いてる様にも見える。

スターリンに言われるままに処刑を実行していたベリヤの「人間の皮を被った悪魔」の様な冷酷さや彼の性癖に至るまでを、子供の口喧嘩みたいな台詞の中に上手に入れているところはさすがです。
製作者達の勇気に拍手。
ロシアでは上映禁止だそうだけれどそれに反対する映画人もいるらしい。

スティーブ・ブシェミがニキータ・フルシチョフに見えるかどうかは置いておいて、BBCのドラマ「シャーロック」に出ていた俳優や「ハリポタ」のジェイソン・アイザックが見られて良かった。

全編通してクラシック音楽が流れ、特にチャイコフスキーの「悲愴」はロシアというお国柄をイメージさせるには無難な選択だと思う。笑
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