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セックス・ドールのsatchanのネタバレレビュー・内容・結末

セックス・ドール(2016年製作の映画)
2.5

このレビューはネタバレを含みます

ロンドンで、コールガールとして働くヴィルジニーの物語。本名はマリカという名前。妹がお父さんの暴力から逃げてパリから来るシーンがあり、マリカも同じように逃げて来たのだろうと推察される。妹は姉が不動産会社で働いていると思っていて、同じ所で働きたいと懇願するが、マリカは「未成年だから無理」と答え、妹をパリへ帰す。仕事以外のシーンでは、マリカが女友達とクラブで遊ぶ夜のシーンが多かった。遊んでいる割には、いつも浮かない顔をしていて、笑顔を見せる事はほとんどない。ナンパされても、その気になることもない。

近寄ってくる刺青だらけのルパート役の男の子がとても魅力的だった。アッシュ・スタイメストというモデルさんで、リリー・ローズ・デップの元彼らしい。筋肉質とは程遠い、ひょろっとした体型で、モデルさんというのも頷ける。ルパートは「思い出はない」と言って、家族や過去のことを語る事はなく、ミステリアスをキープ。どんな人なのかさっぱりわからない。後半に差しかかり、未成年の少女を売春から助ける仕事をしていることが分かる。

ヴィルジニーはソフィアという新しいコールガールを連れて、大きなお屋敷へ行くことになる。ルパートが探している少女がソフィアなのか、あまりはっきりと語られていないが、ルパートがお屋敷の敷地内まで来て見張っていたので、そうだったのかもしれない。お屋敷でパーティーが始まり、ヴィルジニーとソフィアが親父たちの餌食に…となりそうな時に、殴ったり蹴ったりの暴力が始まる。二人は必死に逃げ、そこへ庭で見守っていたルパートが登場し、車で逃げ出すのだった。

ルパートに助けられ、3人はホテルに泊まる。その夜、ヴィルジニーこと、マリカはルパートと関係を持つ。ルパートはこの前のシーンでも、マリカの部屋へ行った時、「キスとビズの違いを教えて」と言い、「よく分からないからもう一回」とせがんだりしているので、元々、マリカに気があったと思う。でも、少女を救う活動をしているはずなのにヤっちゃうのは何故?という疑問も残る。そして翌朝、ソフィアと消えていた。しかも、お金が置いてあって、超失望!マリカの悲しみは痛いほど伝わってきた。ルパートが見つめていたのは、マリカではなく、ヴィルジニーだったのか…?

マリカが酷い目に遭って帰ったというのに、ジェシー・J風の元締めの女は怒り、用心棒の男も脅してくる。マリカは元締め女の誕生日パーティーから抜け出すが、男に捕まり、暴力を振るわれる。そこに登場するルパート。伊達に入れ墨入れてないね、なかなか強い!助けてもらったのに、失意のマリカはルパートに「あなたの活動なんて、くそくらえ」と捨てゼリフを吐いて立ち去る。マリカはフランスに帰る決意をする。深夜のルパートの男泣き、ちゃんと言葉にしないからだよ、と言いたい。何故か、日本男児の不器用さを持つルパート、惹かれるな〜。お前は高倉健か!?そして、追いかけて電車に乗っても、笑顔で微笑むだけ。今度は自分を助けるだと?マリカにちゃんと気持ちを伝えなさい!
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