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セックスと嘘とビデオテープのsatchanのネタバレレビュー・内容・結末

3.0

このレビューはネタバレを含みます

タイトルが印象的で、昔から見てみたいと思っていた映画。エンドロールでソダーバーグ監督作品と知りました。低予算で制作したデビュー作品とのことですが、カンヌ国際映画祭でパルムドール受賞しているらしい。やはり才能があったんでしょうね。

そういう目で見ると、確かにキャストは少ないし、ロケ地も自宅か、弁護士事務所か、妹の家か、友人の家と、ごく限られていました。弁護士の夫を持つアンは、恵まれた生活なのに、心を病んでいて、セラピーを受けています。アン役は『フォー・ウェディング』のアンディ・マクダウェル。弁護士の夫ジョンは妻の妹とデキているという最悪な男。このジョン役は、どこかで見たことあると思ったら、『コバート・アフェア』のピーター・ギャラガーでした。2人ともずいぶん若い。

妹シンシア役の女優ローラ・サン・ジャコモは、初めて見ました。姉のアンと対照的な性格で、水商売をしています。姉の夫に浮気させているのに、何の罪悪感もない様子。母親へのプレゼントを選んだ姉とのやりとりも印象的。贈り物をすることに、何の感情もないし、むしろ面倒で贈り物をしたくない感じ。自己中心的。もしかすると、優秀な姉と比較されて育ったが故に、母親に感謝する気持ちも持てないのかもしれないです。そしてきっとグレた。姉を見返すために、姉の夫と寝ているのか?人の感情や生い立ちって、複雑なものです。

この物語に颯爽と?登場するグレアム。他の映画では見たことがないけれど、ジェームズ・スペイダーと言う俳優さんで、カンヌで男優賞を受賞しているようです。ビデオ収集癖があり、変態的に描かれています。他人のセックスビデオではなく、セックスについて話す女性を撮ったビデオ。ここが異常な感じ。グレアムはインポで、女性がセックスについて話すのを見て興奮すると言う…。ラストでは、ジョンはグレアムが過去に愛した女性と寝たとことをカミングアウト!グレアムは集めたビデオを全て壊してしまいます。そしてアンも夫と妹の不倫を知り、当てつけのようにグレアムと寝る…。やや不思議ではありますが、この少ないキャストで見事に完結。物語のまとめ上げが上手なソダーバーグ、そんな映画でした。
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