Hoshiduru

バッド・ジーニアス 危険な天才たちのHoshiduruのネタバレレビュー・内容・結末

4.1

このレビューはネタバレを含みます

スタイリッシュでやっぱ天才って好き♡ってなるし、めちゃくちゃ上手くて面白かったけどさ〜〜!!

やっぱりあの小さい背中にのしかかるものが大きくて重すぎるよ。頭の良さや視野の広さゆえに分かってしまうのであろう、本来は考えなくて良いはずの彼らの世界の狭さが苦しすぎる。やっぱりさ、まだ子供なんだよ。大人は何をしてるんだよ。
なんで彼らが自分の中の宝物を汚さなきゃ、溝に捨てなきゃいけないんだろう。

こういう人が大学に行くべき人なんだろうなあって思ってたのに、家庭の事情で大学進学を断念したクラスメイトのこと思い出してさ、凄く悔しくて泣いちゃうんだよな。

勉強が好きだからこそ、「自分達に大学で勉強する価値あるのかな」って悩みを打ち明けあったあの日にさ、私は彼が進学しない事でこっそり泣いたな、とか、大学入って良かったなって思うことがある度に、「ここはあなたが来るべき場所だったよ」って思うな、とか、色々思い出してさ、でも、抱えてるものの次元が最初から違うじゃんかよ。

「将来は何にもなれないかもな」って寂しそうに笑う彼の横でさ「学部はノリで決めた!推薦まじ危なかった笑」って、対外的には揉み消された謹慎明けにはしゃぐ奴を見て、悔しくてやるせなくて、私は絶対この中の誰よりも良い大学に行って、誰よりも学んでやるって思った卒業式まで、全部思い出しちゃった。
(*大学に行く動機はなんでも良いと思います。)

頭の良さのレベルが桁違いなんだけど、浮きこぼれてた私たちをおこがましくも重ねちゃったし、「私たちが世界を変えてやろうね」って、バンクに彼を見出して声を掛けてしまったし、で、彼も最後そうするかもなって、そうする選択肢しか無いかもなって、ちょっと思って、なんかまた悲しくなった。憧れだったのにね。
そういうまっすぐな「私とあなた」の関係だけでは生きていけないこの世界が本当にきっついなあ。
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