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30年後の同窓会のditaのレビュー・感想・評価

30年後の同窓会(2017年製作の映画)
3.5
@塚口サンサン劇場   

男三人組の映画は大体面白い説。バランス感覚がとてもよくて、ふと思い出した時に今よりグッとくる気がする。下ネタもはじめての携帯も楽しいのに、ずっと心に残るのは"Pain is pain" という台詞。過去の傷は傷でしかなく、死は死でしかない事実。死の意味と理由を探さなければ受け入れらないというのは遺された者にとってこんなに辛いことはないんじゃないかと思う。たとえそれが嘘であっても、そう思わなければやってられないのであれば、その人の本当にするしかないんだと思う。意味のない戦争に意味のある死を求める。こんな矛盾は苦しすぎる。

それでも、仲間と思い出話をして、仲間と同じ時間を過ごして、アホな下ネタで笑って、死者の思いに触れて、遺された者に思いを馳せて、神に助けを求めて、少しずつ少しずつ前を見て生きていくしかない人たちを、主役三人の会話だけで説得力を持たせる映画にするのって凄いなと思った。
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