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枝葉のことのKUBOのレビュー・感想・評価

枝葉のこと(2017年製作の映画)
3.0
「ぴあフィルムフェスティバル」の特別上映にて鑑賞。

二ノ宮隆太郎監督とは2012年に審査員を務めたPIFFで準グランプリをとった「魅力の人間」以来。「魅力の人間」でもそうだったが、彼の作品には、何とも言えない緊張感が漂う。また役者としても魅力的で、香川照之のような奇妙な存在感がある。

本作は、二ノ宮監督の親友のお母さんが亡くなった実話に基づく作品。2012年「魅力の人間」が準グランプリをとった会場に来てくれていたその女性が、亡くなる前に「映画を撮りなさい」と言って二ノ宮監督に多額のお金をくれたのだと言う。そして、そのお金で作り上げたのが本作だ。

冒頭、全裸の二ノ宮隆太郎に驚く。あれだけシャイな二ノ宮がここまでするのは「全てさらけ出す」という決意の表明だろう。

またひとつひとつのカットが長い、長い! 多用される長回し、「カンペ使ってるのかな?」「音声別録音かな?」など、いろいろ考えてしまうが、キャストはたいへんだったろうし、監督のこの作品にかける想いが伝わってくる。

二ノ宮隆太郎という監督、俳優は、クセになる魅力はある。ただ、その魅力に商業映画との親和性は限りなく低い。

本作は「ロカルノ国際映画祭」のコンペティション部門にノミネートされている。松竹ブロードキャスティングがやってるオリジナル映画製作プロジェクトなんかで撮れたら「恋人たち」みたいにスゴイやつを撮ってくれるかもしれない。

(インディーズなので評価は商業作品と比べられないので星3つとしています)
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