このレビューはネタバレを含みます
成長途上であることを認めつつも[ドキュメント作品]ができていること自体が、グザヴィエ・ドランの才能を物語り、可能性を指し示しているかのよう。
19才でカミングアウトしてから『マイ・マザー』を皮切りに、一貫してマージナルな立場の人々を描いてきたドラン。
「その時、僕が、心から求めた映画を作ってきた」と語るドラン。
ああ。
人と違っていると疎外される、偏見、風当たりの強さなどを実感してきたドランだからこそ描けた世界なのか。
ドランの映画からは、少なからずのインパクトを受けたし、心の中にも残っている。その理由の1つが分かった気がした。
※『トム・アット・ザ・ファーム』の日本公開の時に、ドランがふくらはぎに彫っている「作品は汗である」というタトゥーについて(インタビュー)聞いたことがある。
「僕にとって[アートとは努力の賜物]なんだ」と言っていたのを思い出した。
ドランはやはり、単なる天才ではない。