もう10年以上もテレビドラマとして放送されていたというのに、まったくこれまでこのシリーズ、観たことがなかった。初めての映画化ということで、観客動員も立派な成績を上げているようだが、ドラマの体験がない自分には、かえって新鮮に映った。同じように、フジテレビのドラマからの映画化で、「海猿」というシリーズがあったが、その線を狙っているのかなとも感じた。ただ、「海猿」に比べれば、女優陣がバラエテイに富んでおり、あちらが男性的なら、ことらはやや女性寄りのつくりなのか、山下智久と新垣結衣の共演も必殺のアイテムだろう。
ヘリコプターで事故現場に駆けつける医師たちの物語という設定で、映画版では、たぶんその事故がスケールアップしているのだろうが、どこかテレビの拡大版という印象は拭えない。海外のCGを全面に使ったアクション作品を見慣れていると、この作品で描かれる現場は、かなり現実的だ。そのぶん、リアルであるとも言えるのだが、それならテレビドラマで十分なのではないかとも思ってしまう。Netflixなどを観ていると、オリジナル作品はそれほどスケール感を追求してはいない。むしろそこで展開される人間ドラマのほうにウエイトを置いているような気がする。そういう意味で言えば、キャステイングがテレビ版と代わり映えしないのは、やや気になるのは確かだ。
