とえ

サニー/32のとえのレビュー・感想・評価

サニー/32(2018年製作の映画)
3.5
11歳の時に同級生を殺し、ネットの世界で神格化されたサニー

それから14年
新潟で教師をしている赤理は誕生日に見知らぬ男から「お前、サニーだろ」と言われて拉致監禁されてしまう

はじめはサニーではないと否定していた赤理だったが、いつしかサニーであることを認め、ネットの世界に神として降臨する

私もこうして毎日、SNSに顔を出しておきながらこんなことを言うのもナンだけど
ネットの世界で生きている人たちは、承認欲求か強い人たちなんだなと思った
人から認められたくてネットで自己主張をする
だから、人並み以上に他人に愛を求めるチカラが強い

そして、彼らのようなサニーを神と崇めるネット民の願いを叶えるように
突如として現れた魔法使いのハリー・ポッターは、赤理に魔法をかけ
赤理を田舎の教師から愛の伝道師 サニーへと一瞬にして変えてしまう

誰かに強く愛して欲しいネット民は、教祖になったサニーの言葉に癒されていく

では、なぜ、彼らは承認欲求が強いのかといえば
現実世界の人間関係が希薄で、うまくコミュニケーションをとることができないからだ

だから、愛して欲しくても、友達になりたくても、相手にうまく伝えることができずにネットの世界へと逃げ込んでいく

現実世界の人間関係が希薄だからなのか、命の重さもとても軽い

だからといって、ネットの世界が悪いわけではなく、そこが彼らの避難場所になり、居場所になっていく

いつしか、そこから逃げ出したくなったり、自分を変えたくなったなら、サニーのように飛んでみたら、違う世界にたどり着けるかもしれない

そこに希望があって良かった
とえ

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