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最初で最後のキスのbirichinaのネタバレレビュー・内容・結末

最初で最後のキス(2016年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

よかった点:
イタリア語のスラングをたくさん聞けたのは面白かった。
ラスト少し前、無人の3人の部屋が次々映し出されるシーンは心に残った。

感想:
ミュージカル的なシーンを組み込み一見ポップな作りだが、基本的には喜劇っぽく始まり悲劇に終わるというイタリア映画の伝統的なシナリオだった。

養子でゲイの高校生ロレンツォと前衛的な文学少女ブルーはネガティブな感情をため込まずに逃す術を知っていたけれど(ロレンツォは超ポジティブ志向の空想力で、ブルーは書くことで)、いちばんまともな内向的なアントニオにはバスケに打ち込むことしかなかった。ロレンツォにつきまとわれ、ブルーに相手にされず、味方だった兄の幻(? アントニオにだけ見える)にも悩まされるようになり、あるきっかけで自分をコントロールできなくなり悲劇を起こしてしまったのだと思う、かわいそう。
兄の幻(たぶん交通事故死)は最初は優しいお兄さんだったのに、最後は悪魔のような不気味な笑みを浮かべていて怖かった。
ロレンツォは「アントニオが僕にキスした」とチャットに書いていたが、どう見てもロレンツォがアントニオにキスしていたように見えた。

分岐点:
①3人で川へ行ったこと。アルベルトは他の2人の企てと言っていたが、誰の発案だったのだろう?

②用務員さんが優しさを見せて、遅刻したアントニオを校内へ入れてあげたこと。

疑問:
あのピストルは父親のものと思うが、父親はなぜピストルを持っていたのか? 職業は警備員らしいので仕事道具? もしや自殺を考えていた? それはうがちすぎか?
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