tetsu0615

ターミネーター ニュー・フェイトのtetsu0615のネタバレレビュー・内容・結末

3.4

このレビューはネタバレを含みます

いやー面白かったんだけどさ…なんか違うっていうか、物足りないっていうのか…

冒頭から衝撃的な展開で始まる本作。各々が未来からやって来てダニーを巡るファーストアクションはスピード感と見ごたえが十分だし、満を持してのサラコナーの登場は最高にクールかつテンションを上げてくれる。人類に、自分に、未来に絶望してかのような彼女のやさぐれ感も申し分ない。敵ターミネーターの分離する設定も面白いし、味方であるグレースの活躍っぷりも楽しい。そしてシュワ演じるT-800の登場も焦らして焦らしての登場でやはりテンションは上がる。そうテンションは盛り上がってるはずなんだ…
気になった所が色々とある。まずタイムパラドックス的な矛盾というか違和感が拭えない。それにより物語が入ってこないというのがまず一つ。この辺はスルーすべき所なのかもしれないが、気になってしまったらもうダメだ。あと過去作のオマージュと取れば良いのかもしれないが、無かったことにした作品たちの色んな所を摘まんで使ったような場面が多いのが一つ。これは例えば~変わらなかった荒廃する未来、ラスト○○の○○を○○てアイツを○○する(ウッカリ読んじゃった人用に濁します笑)はT3、未来の世界、強化された人間はT4、年を取ったT-800はジェニシス~目立つ所だとこの辺が挙げられるか。
その辺にプラスして、感情の盛り上がり、共感度もさして高まらなかったのも一つ。ダニーとグレースの絆やサラの怒りと悲しみの苦悩、人間的なT-800、敵ターミネーターの無慈悲さ…どの点でももう一歩物足りなく感じる。
色々とまだ述べたい所はあるが、ひとまずこの辺で
結論から言うとやっぱり1、2で終わらせるべきだったかも?

回避された審判の日から数十年後…メキシコに現れた新型ターミネーターREV-REV-9はダニーという女性をターゲットに襲い来る。未来から彼女を守るために送り込まれた強化人間のグレースが立ち向かうがピンチに追い込まれる。そのとき彼女たちの前に現れたのはサラコナーだった…

冒頭の展開にはもう少し後で触れるとして…タイムスリップでやって来るお馴染みの展開、グレースが警官を制圧し、洋服を拝借したのに対し、敵が滑らかに静かに任務を遂行していくあたりは面白い。主要なキャラを足早に出し、敵の襲撃とそれに対抗する迎撃、工場を舞台にしたハイスピードなバトル、ハイウェイでのカーチェイスまでノンストップな展開で飽きさせない。敵の分身能力も発揮されておりハラハラさせつつ、サラコナーのクールな登場で観客のボルテージは最高に!(予告編はもう少しこのシークエンスを出さない方が良かったと思う。)

グレースのオーバーヒート?での薬が必要な設定は物語に緊迫感を出す存在なのかもしれないが、登場するタイミングがいかにもなタイミングというか…どうにもこの映画を造ってる側の意図が見え隠れしてしまい「こういうピンチな要素あったら盛り上がるでしょ?」みたいな作為性を感じてしまった。

そこから、国境超えを目指したり、その道中少しずつ迫り来る敵ターミネーター等のくだりが少々中弛み感がある。
指名手配されているサラが捕まってしまってまた一くだりあるかと思いきや、サラリと解決してしまい、盛り上がりもイマイチ
敵ターミネーターに関しても、会話で乗り切るスペックがあるのに、突然皆殺しにしたり、変装能力や分離行動能力もイマイチ活かしきれてない気がする。俊敏な動きのキレがいいだけに残念か。

ここからよりネタバレに注意


いよいよ、T-800が登場!ジョン(冒頭のCG?での彼らにビックリ!)を殺害した個体が指令の無いこの時代で学習して家族を築くまでになっていた…というトンデモ設定(T2で学習能力があるのは判っていたもののそうオトスとは…)
で、ここで気になるのはタイムパラドックスな部分。あの世界観におけるタイムスリップのルールが分からない(あるのかも知れないが知らないもしくは忘れた)色んな時代にスカイネットがターミネーターを送り込んでいたのは分かるが、それは"スカイネットが存在しえたタイムライン"にしか行けないとかではないのか?T2でスカイネット、審判の日は回避された(と記憶してるし少なくとも今作の本編ラインでは発生してない)のだから、T2後のタイムラインとは違う軸になっている?いや、そもそもT2の時点ではスカイネットは破壊される想定では無かったのだから良いのか?
過去を変えても、スカイネットがいる未来のタイムラインが残るならターミネーターを送り込む意味ってそもそもあるのか?など色々と考え込んでしまい、話が入って来なくなってしまった。T-800ことカールがサラにターミネーターの転送を教えていたのも気になる。スカイネットが何体送り込んだか知らないが、カールとサラが動くまでに他にもT-800送り込まれてる可能性はあるのか?ジョンが死んでるのだから任務を失ってないか?送ってきたのはスカイネット?リージョン?など色々と疑問やらタイムラインが気になってしまい、物語が入ってこなかったのが正直。ここまで色々と考えてしまうとターミネーターという作品そのものの根本的な話から色々とおかしくなりそうなのでこの辺で

ダニー自身が救世主である(旧作でのジョンの立場)であることは割と分かりやすく示されていたし、そこは良いのだがグレースとの絆の芽生えや彼女の成長などあまり感じられないまま物語が進んだイメージで終盤の感動はサッパリ。
飛行挺での空中バトルシーンもCGがゴリゴリすぎるのが目についてしまい、テンションが上がりつつも冷めて見てしまった。
水中戦などもあり、ラストバトルは見ごたえ十分だが、敵ターミネーターの倒し方もドラマ不足、設定不足感が否めない。
変装出来るのだからそれによる騙しをもう一発欲しかったし、2体分離活動出来る魅力ももっと欲しかったのが正直。
グレースの動力源を使って敵を倒すというのにも感動を感じないし、サラがカールの名前を呼ぶのにもドラマは無い。
あと、敵味方含めターミネーターの部品とか始末しなくて良いのかい?サラと思ったり…
リージョンについて何も手がかりも無いまま、新たな旅へと向かったサラとグレースに新たな続きを予感させるが…止めた方がいいな…

T2の正当な続編として、サラの活躍、T-800の登場などファンをワクワクさせる要素、時代が進んだことにより迫力とスピード感を増したアクションを楽しめれば満足な一本。
タイムパラドックス的な部分や設定の部分は色々と目を瞑ろう笑
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