ギズモバイル

ターミネーター ニュー・フェイトのギズモバイルのネタバレレビュー・内容・結末

3.1

このレビューはネタバレを含みます

≪ざっくり評価≫
正統な続編(面白いとは言ってない)。
**********
総合評価 (/7) ☆ 3.1
シナリオ 3
総合演出 4
独創性 3
完成度 3
心理効果 3
相性(*2) 3
**********
【ネタバレ】
T2直後、ジョン少年がシュワちゃんにターミネイトされる。スカイネットの未来は潰えたが別のAIが人類を支配する未来線が出来上がり、対抗するレジスタンスの女性ボスを早期に消すために刺客ロボットが現代世界に派遣されるが、それを退治するためのレジスタンスの改造人間グレースも同時に派遣される。狙われるメキシコ人女性とそれを助けるグレースとTハンターと化したサラコナーとジョン少年をぬっ殺して現代世界を堪能するシュワちゃんが共闘して刺客ロボット撃退。シュワちゃん玉砕。グレースの電源を武器にしたのでグレース死亡。現代世界線のグレースは少女として生存してるが。メキシコ人とサラコナーはなんか続編を匂わせる雰囲気で活動中。

≪突っ込んだ感想≫
ぶっちゃけ映画としてそれなりに面白いと思うのだが、T2の続編としては見劣り感が否めない。1の全てを土台にして批判しようのない作品に仕上げた2に比べて、今作は2を土台にした、というよりは2を解体して似たような別の何かを造り上げた印象。すなわち、材料が優れている分、それなりの作品ではあるが、上手く土台に出来ず、更なる高みには到達できなかった、と言えるかもしれない。少なくとも、他の続編を無かったことにする資格がある程の出来では無い気がする…が、まあ背水之陣を敷いて臨んだって意気込みは伝わる発言だ。

評価する点は、まずは往年のメンバーの出演でのファンサービスだが、新ヒロインのグレースも非常に良かったと思う。あのスマートな長身で鈍器や鎖分銅振り回したりするシーンは絵になりすぎている。アクションシーンだけならまた観たい。ヴィジュアル的に1本の作品の主人公として十分すぎる存在感があった(主人公では無いか?)。しかも無駄に全裸で登場(シュワちゃんの全裸期待してた奴らドンマイw)。

残念な点は結構ある。まず、敵キャラに魅力が無い。製造元が思いっきり変わってるにもかかわらず、どこかで見たような液体野郎だし、どんだけ殴ってもノーダメージなので、あそこまで強いと爽快感が無いんだよね。強いヴィランも見たいが、同時にヒーロー側の強さも実感したいのが人情なので、あれだけ強い敵を出すなら、そこそこの強さの雑魚も数体出してバランスとって欲しい。昨今のマーベル作品のヴィランの充実っぷりを見ても何も学習できないのだろうか。

また、ヒーローサイドの4名はメキシコ女除いてそれなりに魅力はあるのだが、基本固まって行動して、ワンパターンな液体野郎とワンパターンな戦いしてるので、退屈。もう少し、同時進行の別行動シーンを描いてシナリオにスケールを持たせた上で、観客の意表を突くような登場でピンチを助けるような展開を盛り込むなり工夫をするべきだったと思う。

そしてメキシコ。なぜメキシコ?メキシコである理由は?メキシコ資本でも入ってるの??全世界を絡めるならともかく、中途半端にそこそこの規模の国を絡めると、逆にスケール感が制限されて矮小化されたような気分になる。

色々残念な作品だったが、底力はあったと思う。そう、デブになって痛感するエドワード・ファーロングのイケメン底力のように。どうせコケるなら彼もエンドゲームのソーみたいな位置づけで出演させてコメディに振り切っても良かったかも。いや、それだと3の二番煎じか。