電気羊

神と共に 第一章:罪と罰の電気羊のレビュー・感想・評価

神と共に 第一章:罪と罰(2018年製作の映画)
4.0
ホラー映画かと思って観始めたら、最後の親子愛にメチャクチャ泣けた。

主人公の消防士は、高層ビル火災に梯子車で逃げ遅れの少女を救出するため出動する。主人公は少女を救出に成功したと思われた刹那、少女と共に高層階から転落するが、少女を守り抜き死亡する。
次に主人公が目を覚ました場所は、地獄の裁判所であった。地獄は地獄の最高裁判長である閻魔大王が統括する7大地獄により構成されており、人間は生前犯した罪の大きさにより7大地獄に振り分けられ1000年の苦役に服することになる。
だが、稀に誤って地獄に来た人間で罪のない人間については、判事や捜査官の弁護により貴人として生き返る制度が存在した。

捜査官たちは、主人公は消防士という職業柄、地獄で償う罪はないと閻魔大王に上訴し、主人公を伴い7大地獄を巡る。
7大地獄の裁判官であるそれぞれの地獄の王の判決から無罪を勝ち取り、最後の親との確執を問われる天倫地獄へと辿り着いた主人公と捜査官一行だったが、そこで怨霊となった主人公の弟との関係性が問題となった。

弟は裁判官になる夢を持って大学へ進学するが途中、兵役に参加する。そこで後輩の誤射を受け気を失う。上官は弟が死亡した物と狼狽し、弟を土中へ埋葬するが、弟は土中で気が付くが苦しみの内に窒息する。
弟は自分を生き埋めにした上官への恨みから怨霊となり、人間界へ霊障をもたらす。
怨霊は地獄で服役しても人間として転生することは許されず消滅させられるのが掟であった。
地獄の捜査官は、弟の無念を理解し弟の恨みを収めることに成功する。

その頃天倫地獄の法廷では、主人公が高校生の頃に犯そうとした罪が問われていた。
主人公は、高校生の頃に難病のため寝たきりの母親と赤貧のために栄養失調となった弟を抱えていたため将来を絶望し、母親と弟共に一家心中を決意する。
だが、ぎりぎりで思いとどまり罪の意識から家出し働きながら家族の仕送りを続けることで罪滅ぼしをしようとしていたのだった。

閻魔大王が主人公と弟を地獄の刑に服す判決を読み上げようとした瞬間、法廷の床に主人公の母親と弟の夢の映像が映し出される。
母親も弟も自分たちとともに一家心中しようとした兄が、家出をした後もずっと仕送りし続けた苦しみの胸中を理解しており、主人公への思いや母親への感謝が写っていた。

美しい家族愛のその姿に懺悔し号泣する主人公と貰い泣きする閻魔大王以下地獄の裁判官たち。
かくして主人公は無罪となり、怨霊と堕ちた弟も特赦により貴人として生き返ること許されるのであった。

ラストは俺たちのマ・ドンソク登場で2も期待大だ。
電気羊

電気羊