全て虚構の上に成り立っていた
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金融投資のカリスマ、実業家バーナードマドフの実話を元に映像化された本作。マドフは、数十年にわたって顧客たちを騙し、虚偽の取引を行い続け、約650億ドルを破綻させた。逮捕は世界中を駆け抜け、家族たちは混乱の渦中へ巻き込まれて行く。
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父親の失墜で、事件の事を1ミリも知らなかった家族が気の毒でならない。そのワンマンっぷりは、仕事上はもちろん、家庭でも遺憾なく発揮され8歳の孫娘にキレたり、反対意見には怒鳴り散らしたりと散々。物語は犯罪を犯したマドフ歴史を紐解いていきながら、巻き込まれた家族の崩壊を見事に描いている。
個人投資家や銀行、全米屈指の大富豪を騙し、その上、家族にとんでもない程に大迷惑を掛けたマドフですが、裁判やインタビュアに事件を語る様子からは反省の表情を読み取る事は出来ない。そればかりか尊厳に満ち溢れた表情を見せ、虚無となった今でも、全ては正しかったと言わんばかり。そんな一代で、富を築いた虚構のカリスマをロバートデニーロが重厚且つ威圧感たっぷりに演じてます。
こんな事件が実際にあったとは信じ難い。