すずき

ファウストのすずきのレビュー・感想・評価

ファウスト(1994年製作の映画)
3.1
現代のチェコの都市部、男はチラシに描かれた地図に従いオンボロの劇場に辿り着く。
そこの地下室は人形劇「ファウスト」の楽屋となっていた。
男は現実と幻想の混ざり合った劇場で、人形の1人となってファウスト博士を演じる…

チェコのアニメーション作家、ヤン・シュヴァンクマイエルの作品。
前作「アリス」に続く、実写+古典的なコマ撮りアニメーションで幻想世界を描く。

幻想と現実をごちゃ混ぜにした演出。
空想世界でキャラクターを演じるが、現実世界にも夢の世界が侵食してくる、という構図はドラえもん映画の「夢幻三剣士」っぽいかも。

架空の存在は、わざとクラフト感溢れた作り物っぽく描いている。
だがよく見ると、巨大人形の中に人間が入って演じていたり、時たまギョッとするような生々しさを感じさせる。

魔術によって召喚された燃え盛る火の車、その後ろから消化器を持った警備員が追いかけていたのが可笑しかった。

しかし原作に通じてないと、あんまり楽しめないのかも。
私も原作は最初と最後しかしらないから、イマイチよく分からなかった部分が…。