チャンミ

アケラット-ロヒンギャの祈りのチャンミのレビュー・感想・評価

2.9
タイ深南部あるいはマレーシア北部におけるロヒンギャ難民の人身売買というテーマや、国外に可能性を求めようとするマレーシア人は興味深いテーマだけど、ロヒンギャも、マレーシアにおけるインド系、中華系、マレー系の差など、社会背景が見えづらいため、特に詩的な後半は没入しづらかった。
前半のハードボイルドな雰囲気と比して、後半は習作っぽさが出てたような。
ダルデンヌ兄弟や、『サウルの息子』を意識して制作したそうなのだけど、観念的な問いや詩的な心情は制作意図としてだいじにしながら、徹底的にリアリズムを追求して本テーマに挑んでもよかったのでは。

ヤスミン・アフマドの傑作『タレンタイム』と短編「Chocolate」に出ていてたたずまいが気になっていたウェイを演じるホン・カーホウや、ダフネ・ロー、中華系の演者がああいう役回りを演じる意味が知りたかったけど、単に舞台の地域がそういう人種分布なのか。
(エドモンド・ヨウ監督の『ヤスミンさん』観たかったなー)
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