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負け犬の美学のmasaのレビュー・感想・評価

負け犬の美学(2017年製作の映画)
4.5
ボクシング映画は反則だよ……
絶対感動するから。
案の定、熱いものが込み上げてきてしまった。

しかもチャンプではなく、家族を大切に想っている日陰で地道な側のボクサーを描いた感動作。そこがまたみそ。

あと悪い人、悪い登場人物があまり出てこない。そこもまたみそ。

でもそれじゃ、ドストレートすぎていまいちなんじゃないかと思ったみなさん。安心してください。

主演は『アメリ』のマチュー・カソヴィッツ。自身も本格的にボクシングに入れ込み、本年6月にアマチュアのリングにデビューしている。
あとチャンプ役の俳優の動きがシャープすぎて、妙にスパーリングシーンも迫力あるなと思っていたら、元WBA世界スーパーライト級王者のソレイマヌ・ムバイエ。本物の人でした。
劇中の音楽もなかなかよく、担当しているのは妻役でもあるオリビア・メリラティ。現役のミュージシャン。この奧さんがまた魅力的だ。ボーイッシュな娘役の子がまたとてもかわいく、パパに対する揺れ動く感情がとてもよく出ている。

映画とか音楽とか単純に順位がつかないものが自分はどちらかというと興味があり今まで人生を過ごしてきました。
逆にスポーツとかって、勝ち負けや1位2位が決まるでしょ。つまらないなと…
しかし、同じだった。スポーツだって本当は勝ち負けなんてない。逆に負け続けたものたちも勝者なんだとこの映画が教えてくれた。クサいが心の底からそう思った。
人生ももしかしてそうなんじゃないか…

エンドロールで負け続けた現実のボクサーたちの映像がサラッと出るが、世界で一番かっこいいものを見た気がした。泣いた…
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