ぺん助

シリアにてのぺん助のレビュー・感想・評価

シリアにて(2017年製作の映画)
2.7
銃声・爆発音・地響き・足音・赤ちゃんの泣き声など常に何かしらの音が止むことなくして、緊張感に包まれ心休まる時間がない状況でギリギリのメンタルを保つある一家族。

夫が不在な中、気丈に振る舞い家族を守るため的確な指示をテキパキと出していくオーム。

ハリムの夫が撃たれた事をハリムに告げなかったのは伝えたらきっとハリムは外に出ていきスナイパーに撃たれてしまうから。
撃たれたのが本当にハリムの夫なのか確かめたくても、自分の命と引き換えに外に行く勇気は当然持てないよね。

ハリム1人が暴行を受けているのを見捨てるシーンはとても辛かったけど、オームは自分の家族を守ることが最優先事項だし、全てを救う事は出来ないと一線を引いていたようにも思う。しかし、心の奥底では見捨てている事に対する罪悪感があることが表情から読み取れて苦しくなった。

「撃たれたのが自分じゃなくて良かったって思ってしまってごめんなさい。」
そう言って泣く彼女を責めることは誰も出来まい。

終わり方ははっきりしないまま終わったけど、これが今も続くシリアの現状なんでしょう。
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