シートン

忘れじの面影のシートンのレビュー・感想・評価

忘れじの面影(1948年製作の映画)
3.8
物語を反復してしまう、物語に囚われてしまう人生。

それは、「ステファン」を駅で見送り、「2週間後」の再開を約しながらも裏切られる、リーザの孤独な物語であると同時に、また女たちを置いて出かけ、一夜限りの関係を結んでは別れてしまうステファンの孤独な物語でもある。

ふたりはその物語を繰り返し、孤独に死んでいく。リーザは愚かであり、ステファンは軽薄であるが、愚かでも軽薄でもない愛などあるのだろうか。取り返しのつかないことが愛なのではないか

ショットの作り、カットの多彩さ、編集の技術も詰まった映画だ
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