「モテキ」や「バクマン。」、「SCOOP!」などの大根仁監督が、2011年に製作された韓国映画「サニー 永遠の仲間たち」をリメイクした作品。1990年代とその20年後の時代が交互に描かれていく、少し変わった趣向の「青春映画」だ。いまの主人公を篠原涼子、90年代を広瀬すずが演じ、歌って踊る女子高生グループ6人の過去と現在を描いていく。なにより90年代の音楽が全面的にフューチャーされ、そういう意味で言えば、「音楽映画」にもなっている。
とくにタイトルにも入っている小沢健二の「強い気持ち・強い愛」は、彼女たちが学園祭で踊るため練習を繰り返す曲で、なかなか良いマッチングだ。冒頭の時間軸が切り替わるシーンもなかなかスマートで、随所に大根仁の好演出が光る。音楽を担当しているのは90年代のヒットメーカー小室哲哉。個人的には「CANDY GIRL」がやけに耳に残った。メンバーをめぐるちょっと悲しい話も盛り込みながら、素晴らしいリズムで彼女たちの過去と現在が綴られていく。この時代を生きた人間には、まさに甘い思いとノスタルジーが交錯する作品だ。
