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SUNNY 強い気持ち・強い愛のsugenonのレビュー・感想・評価

SUNNY 強い気持ち・強い愛(2018年製作の映画)
3.7
リメイクの妙に尽きる。

舞台を韓国から日本に置き換えた時、90年代にしたのは正解で、しかも安室奈美恵のラストツアーの映像パッケージがリリース(2018年8月29日)した今週に今作が劇場公開(2018年8月31日)したのは奇跡的で、川村元気プロデューサーはやっぱり持ってるよなあ。オープニングのめざましテレビの映像とかリアル過ぎ(というかリアル)だった。
しかしあの時代、世の中の女子高校生はみんなあんなに全員コギャルだったっけ?

どうしてもオリジナルと比べての感想になってしまうが、本筋は実にオリジナルに忠実に丁寧に作られていると感じた。
SUNNYはともすれば「昔は良かったなあ」「キラキラしてたなあ」という懐古主義な過去を美化する部分だけ捉えられがちだけど、「でも今のあなたも輝けますよ」という未来へのテーマもきちんと盛り込まれている映画だ。
韓国版にはなかった最後のダンスシーンはそれを大いに表現した、いいシーンだった。
何故にメインテーマがオザケンだったのかは劇中で明確に語られるし、成る程と首肯。

以下は物語ネタバレなしの見所

三浦春馬の長髪かきあげシーン(笑)
広瀬すずの憑依シーン(頑張った)
篠原涼子のコスプレ(可愛い)
globeの看板(懐かしい)

で、ここからは、ちょい批判的ネタバレ






韓国版は労働闘争がバックボーンとしてあるのでナミの兄さんはそこに関わっているし、SUNNYが他のチームと喧嘩になる様もそれが演出として使われている。

方や日本版の奈美の兄さんはアニメオタクの引きこもりで、成長してからはアイドルオタクという設定。チーム同士の抗争はPUFFYをBGMに夏のプールで水着でバトル。
また、テレクラ、売り、ブルセラ、リーマン狩り、ドラッグとかの引用も多く、そうか90年代はそういう時代でもあったのかと思った。どうしても韓国版と比べて薄っぺらく感じてしまうのは仕方あるまい。

一番残念だったのは、韓国版のスジ(日本版は奈々)の事件後にSUNNY全員が集まって結束を固めるシーンがまるごとカットされていたこと。そこが一番泣けて好きなシーンなんだよな。そしてあれこそが、SUNNY(永遠の仲間)の根幹だと思うんだけどな。

今回、日本版観て面白かったーって人は韓国版も是非見比べて欲しいですね。
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