さうすぽー

SUNNY 強い気持ち・強い愛のさうすぽーのレビュー・感想・評価

SUNNY 強い気持ち・強い愛(2018年製作の映画)
4.1
自己満足点 76点→81点
(昨日書いたものに少し書き加えました)
安室奈美恵が今月中に引退することを考えると、やはりこの映画がこの時期に公開されたのは必然的だったのかも知れないですね。

はい、やはり満足出来ました!
これはもう完全にアイデア勝利ですね(笑)

原作の「サニー」は80年代の韓国が舞台ですが、この映画では90年代の日本が舞台になってます。
この90年代というのがミソで、音楽業界の黄金時代ですね。
自分はそんな時代に生まれた身なので全く経験もしていないのですが、90年代の曲が凄く好きで、90年代に対してある種の憧れを抱いていました。
なので、それを「サニー」のリメイクを通じて見せてくれました。

内容は原作を忠実に再現してました。
原作の好きだったシーン等が出てきたりして「おぉ!」となりました(笑)
日本版もオリジナルと同様に臭い演出も多いですが、「サニー」だから許せるし魅力にもなっています。

そして、キャストも結構良かったです。
篠原涼子や板谷由夏、ともさかりえ等、現代パートの女優陣も良かったのですが、驚いたのが過去パートのキャスト陣でした。

まず板谷由夏の高校生時代を演じた山本舞香。
ポスターを観たときは少し不安はあったのですが、いざ観るとリーダー的立ち位置でみんなを引っ張っていく姿を見事に熱演してて結構良かったです。

そして、中でも一番良かったのが奈々を演じた池田エライザでした!
これに関しては本当に凄いです。
原作でも奈々ポジションのキャラクターが出て来て、演じた子も良かったのですが、まさか原作を越える存在感と演技を見せてくれるとは思わなかったです。
自分も思わず彼女の虜になりました(笑)
今後の活躍が非常に楽しみです。

広瀬すずも最初は不安がありましたが、申し分無かったです。

あと良かったのが、
コギャルということもあって、サニー達が原作よりも不良に見えた事です。

ただ、物足りなさを感じる部分もありました。
主人公の奈美の家族描写が原作に出て来て魅力的だったのに対して、あまり出てこなかったので少し残念でした。

また、「サニー」というグループ名についてですが、付ける時がいささか強引でした。
原作だと「Sunny」という洋楽の曲から付けるのですが、これには登場しないので、何も伏線を出さずにいきなりワードが出るので、無理矢理感が出て来てしまいました。

あとネタバレにはなりますが、ラストのダンスシーンはアイデアとしては良いと思うのですが、本編とは逸脱してるので余計に感じてしまいました。
やるのなら、クレジット部分に統合してやった方が良かったと思います。
でも大きく気になった部分はそれくらいです。

過去パートが全体的にMVのようになっていたのが新鮮ですが、その演出が嫌な人は注意が必要です。

これは原作に対してもそうなのですが、この映画を観ると考えることがあります。

学校を卒業すると、どんなに仲良くても全然会わなくなってしまうんですよね。それは男同士でも女同士でもきっと同じなんだと思います。
特に女子は男子よりも仲が良いので、この映画のようにそんな光景を観ると余計切なく感じます。

同時にどんなに時間や距離が離れていようが、変わらない事もきっとあるんだろうなとも思います。
サニーを観ると「あいつら今頃どうしてんだろうな?」とか考えて、学校の同級生に無性に会いたくなります。

正直、観た直後は76点でしたが、時間がたつにつれてじわじわと来たので5点プラスしました。

平成最後にふさわしい映画であると思います。
特に3,40代の方にオススメです!
少なくとも「コードブルー」なんかよりも全然泣けます(笑)