Aya

SUNNY 強い気持ち・強い愛のAyaのネタバレレビュー・内容・結末

SUNNY 強い気持ち・強い愛(2018年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

結論から言うと、そんなに悪くない。
でも良くもない、って感じかな。

結果、やっぱオリジナルの韓国版は奇跡的に素晴らしい映画だったよね!というところ。

※韓国オリジナルの「サニー/永遠の仲間たち」のネタバレに触れています

ちょっと思ったのが、CJEJが撤退してなければ・・・違ったものになったんじゃないかな?
とね。
それぐらい全く同じ構成、セリフ、カット割の部分と省略&改変されている部分がだいたい半々くらいですかね?

どうしてもオリジナルがクラシックとしてあれだけ愛される作品なだけに、比較して見てしまうのは仕方ないことをお許しください。

この企画が日本版リメイクで、しかも大根仁監督で、主演が広瀬すず、と聞いたときに色んな不安が渦巻いた中で最も懸念していたのって、キャスティングですよね?

え?
ナミ役を超美少女、広瀬すずがやるって、それを凌駕する美少女役のスジは誰がやるの?!

これが一番不安で・・・池田エライザちゃんでしたっけ?
この子・・・イイ!
確かにスジっぽいクールな美少女だ!
なんか光が当たる窓辺に座ってることが多い、とかも似てましたw
(個人的に中条あやみとかどうだろう?と思ってた)

あと、ハ・チュナ役の子もカッコよくて、小柄やけどリーダーっぽい説得力があるのめっちゃイイと思ってて、篠原涼子がコギャル時代を過ごした、って無理がある・・・と思ってたけど広瀬すずと笑った時の口元が結構似てません?

真木よう子の代わりにハ・チュナを演じた板谷由夏さん。
大好きな女優さんなのですが、板谷由夏さんてわりと痩せ型というかカリッカリじゃないですか?
病人ぽくていいと思いました。

そしてですね、俺たちのサンミですよ!
今や「サニー」キャストの中では一番出世してんじゃね?レベルでたくさんの映画に出演しているチョン・ウヒ。

サンミ役の子・・・だ、誰?!
知ってる子でもないし、可愛くもないし!!
でも、演技とか役割とか佇まいがこの子めちゃくちゃいいんですよ!!
一番良かったかもしれない・・・。

あの役が新井浩文ってのも結構イイw

弁護士の設定も0にして、ハ・チュナの遺言執行人と役割をセットにしてリリー・フランキーにしたのも、まあいいんじゃないですか。
個人的にあの弁護士事務所のいざこざ好きなので物足りないのですが。

ちなみに敵対の不良グループ少女時代は出てこないです。
その役割を全部サンミの子が担ってるので、極端なサンミの矮小化と、喧嘩エピソードの爆笑感がなくなってしまってるんですね・・・。
コギャルなら敵対グループとか作れそうなのに。

大まかに違うところは

・そもそもクムオクがいない
・ナミが絵が得意という設定がない(つまり随所に登場する絵がない)
・娘のいじめの話がない(=おばさんサニーの大人気ないお仕置きシーンがなくて、相手がジニの旦那になってる)
・スジのタバコ描写がない(これはしょうがないかな)
・スジの怪我が右頬と左頬で違う(怪我の仕方も違う)
・バナナじゃなくてうまい棒
・兄貴たちとの旅行(この改編はいい!と思ってます)
・「美人でごめんね〜」がない
・ハ・チュナは入院中もバリバリ仕事してる
・サニーという名前の付け方(これは全く意味ない)
・サニーがどのような結末を迎えたか?(これは大まかにはスジが自殺未遂してサニーバラバラ、となるが、教師からボコ殴り→サニー全員退学という重要な要素が日本公開版でもカットされてる)
・お葬式のダンスの練習してない
・クムオクがいない

とかですかね。
そもそも国も違えば文化も違うし、舞台の年代も違うから、あんま細かいとこは言い出したらキリがないので。

そういうの置いといての不満は、90年台ヒットソングにのせてコギャル文化を!というわりに、かかる曲がめちゃ少ない。
10曲くらいしかない・・・困ったら、安室奈美恵、みたいな。
そこはやっぱもっと音楽で楽しませて欲しかったというか、一番物足りなかった。

OPのベッドから料理の流れまでほぼ一緒です。
なんなら作ってる朝食メニューも似てましたw

そしてお母さんのお見舞いに行くじゃないですか?
そこには日本公開版ではカットされたイム・ナミちゃんのお兄さんの話がチラッと出てくるんですよね。
おーこれは!と思って。

すごくオリジナルに忠実なキャラクターになってたのは、三浦春馬の見た目とあと、イム・ナミちゃんのお母さんですよねw
漂う80年代韓国感w

あの「彼氏って言って」からの兵士たちの「ひゅーカッコいいぞー!」があるからあそこのシーンいいのに!と思ったり。
これもあの時代が舞台だから、の必然シーンですよね〜。

最初の学校に来てカメラが一周して過去に戻るシーンでの「LA・LA・LA LOVE SONG」にのせてコギャルたちがミュージカルのように踊り始めるのとか、私の苦手な大根仁感ビンビンでめっちゃノレねえ!と思った。

コギャル描写もちょっと・・・というとこもある。

でも私は彼女たちよりちょっと若いので!
あのコギャル全盛期は多分、中学か小学校やって、私が高校生の時にはすでに紺ソクと長めスカートへの過渡期でしたね。
あと地方なので!

東京のコギャルがあの時代にポケベルとケータイを併用していたのか?そもそもインスタントカメラで写真を現像する、ということをしていたのか、わからないですが(プリクラじゃね?)、違和感ありました・・・。

でも援交、それに付随するブルセラ、テレクラ、オヤジ狩り、カラオケなどを上手く取り入れてたと思います。

だからこそなぜおでんの屋台で呑んでんねんw
なんでそこは忠実に再現やねんw
お化粧もしてれば可愛かったのに!

よく考えたら、この時代のコギャルという文化を回想的に映像作品化したのってあんまないよね。
リリー・フランキーも言ってたけど、やっぱりこの時代のコギャル文化って特別やったんかな。
そうなんやったら、コギャル映画もっと見たい!

そもそも女子高生ってぶっちゃけ最強じゃないですかw
授業も真面目に聞かず、お菓子食って、弁当食って、メイクして、なけなしのお小遣いやバイト代で流行りのものを購入して、おしゃれして、とにかく友達と大声ではしゃいでくだらないことしかしてないのに、終始笑ってしかなかった。
この幸せな時間て多分、世代関係なくあると思うんです。

「今の子は静かね」
みたいなことを、スマホばかり見ている女子高生集団を目にして小池栄子が言うのですが、その辺どうなんですかね?
今の子はもっと意味わからへんしなんの利益にもならへんけど、とにかく毎日が楽しくて、友達と笑ってだけいる、みたいな感じ、ないんですか?
いやいやーあるんじゃね?

あの大号泣「未来の自分へのメッセージDVD」シーンは、夢とか未来への手紙ってよりはみんなずっと仲良し!みたいな感じで、あのDVDで語られたみんなの夢が完全に夢でしかなかったよね現実とのギャップ(T_T)が一番泣けるポイントなのに・・・わかってない・・・すげえもったいないし、このメッセージ、特にハ・チュナは言うてるまんまの人生歩めてるから全然ノレなかった。

暴力教師もいないし、泣いてるだけだから、またサンミの矮小化が・・・。

お葬式後はもうずっと感傷的なシーンが長すぎて飽き飽きしておりました。

あの人のあの仕草がいらないし、見せすぎ。

ラストのダンスだって見たかったし、若いときと今の本人たちが一緒に踊ってるとこは微笑ましかったけど、本当にくどかった。

なので、この企画、かなり地雷案件と思ってたわりにキャストが本当に頑張っていたし、それぞれ魅力的でした。

ただ、ここまで「サニー」の意味がないとは思わなかった・・・。
Aya

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