ちか

マスカレード・ホテルのちかのレビュー・感想・評価

マスカレード・ホテル(2019年製作の映画)
3.3
この映画は、都内で起こった3件の殺人事件の次の事件現場である一流ホテルで事件を未然に防ぐ為に警察とホテルマンが協力して犯人を捕まえる話です。私が、この映画で一番注目していたのは、音響効果です。ミステリーということもあり、音響効果が大事になってくるのですが、各シーンによってこだわった音楽が使われていて、よかったです。舞台とホテルが、舞踏館のような雰囲気がある建物で、お客様がホテルに入ってくるときの舞踏会の演奏曲のような頭に残る曲が、このホテルの高級さを引き立て、さらにシリアスな現場を作り上げている。ホテルでは様々な事件が起きて行くのだが、その度に色々な曲が使用されているのだが、私が特に印象に残っているのは、老婆に変装していたお客様シーンです。このお客様は、何かと不思議な行動をする方で、犯人なのではないかと疑いがかけられており、そのお客様が何か起こそうとしているシーンの直前には、事件が始まるような音楽を付け加え、より視聴者に緊張感を与えている。他にも、事件性が出てきたときや、お客様との交流シーン、などで音楽を使い分けて、シーンを音楽で雰囲気を変えるというのが印象的で、面白いです。また、ホテルの個室で何か怪しいことがあると、個室の窓からホテル全体の窓を遠目のアングルでカメラを引きで取るシーンがあるのですが、そのときに他の部屋では従業員が掃除をしていたり、画面全体に窓を通してホテルの客室が覗けるのは面白い撮り方だったなと感じました。内容は、そこまで面白いとは思わなかったですが、音響効果がこの物語のミステリアスな雰囲気を作り上げていると感じ、音響の大事さを改めて感じました。
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