サマルカンドサイトウ

アンダーグラウンド 完全版のサマルカンドサイトウのネタバレレビュー・内容・結末

4.2

このレビューはネタバレを含みます

僕は爆撃中にオナニーしてる人間をはじめて見た。これこそまさに、デッド オア アライブ。ブラックユーモアで包まれながらも、えがいているのは本質的。

イデオロギーのために、人はたたかうんじゃない。あいするかぞく、女のために戦う。そんなパルチザンがあってもいいし、本音だろ?って監督に言われた気がする。
その通りっす。

共同体を超えるより大きな物に回収されるほど人間は弱くないし、がんじがらめにはできない。

そして、地下に人を押し込めて、まだナチスと戦争をしていると騙しながら私腹を肥やす副大統領。彼の姿も西側を敵とし、戦時共産主義の日常化を行った戦後のユーゴを揶揄しているのだろう。

そんな欺瞞はあっけなく崩れる。
それはサルが放った戦車の砲弾によって崩れ去る。

ああなんとも儚く、面白い。

こんなにブラックユーモアである国の歴史を紡ぐことが一体どれだけの人にできるのか?
ニキータミハルコフにはできないだろう。
アンゲロプロスにもできないだろう。

日本だと誰だ?
福田雄一か?福田雄一が歴史にむきあうとこんな感じか?

最高だった