このレビューはネタバレを含みます
僕は爆撃中にオナニーしてる人間をはじめて見た。これこそまさに、デッド オア アライブ。ブラックユーモアで包まれながらも、えがいているのは本質的。
イデオロギーのために、人はたたかうんじゃない。あいするかぞく、女のために戦う。そんなパルチザンがあってもいいし、本音だろ?って監督に言われた気がする。
その通りっす。
共同体を超えるより大きな物に回収されるほど人間は弱くないし、がんじがらめにはできない。
そして、地下に人を押し込めて、まだナチスと戦争をしていると騙しながら私腹を肥やす副大統領。彼の姿も西側を敵とし、戦時共産主義の日常化を行った戦後のユーゴを揶揄しているのだろう。
そんな欺瞞はあっけなく崩れる。
それはサルが放った戦車の砲弾によって崩れ去る。
ああなんとも儚く、面白い。
こんなにブラックユーモアである国の歴史を紡ぐことが一体どれだけの人にできるのか?
ニキータミハルコフにはできないだろう。
アンゲロプロスにもできないだろう。
日本だと誰だ?
福田雄一か?福田雄一が歴史にむきあうとこんな感じか?
最高だった