REIKAZUM

娼年のREIKAZUMのレビュー・感想・評価

娼年(2018年製作の映画)
3.6
この映画をAVって言ってしまう人は、ベッドシーンがある映画はすべてAVだと思ってしまうのだろうか。
確かに体を売る男の話なのでかなり過激なシーンが出てくる。
でも主人公が抱える心の闇と、多くの人間が持つそれがすごくわかりやすく表現されていたように思う。

主人公の領は有名大学に通うインテリ大学生。
子供のときに母と死に別れたことがトラウマになって心を閉ざしている。
ある日、会員制ボーイズクラブの経営者の女性と出会い、そこで働くことに。
「あなたは女なんてつまらないと言った、そんなことを言うのはよしなさい」
経営者の女に言われて日常から逃れるように仕事を始める領。

色々な女と出会い、短時間ではあるけれど相手を受け止めていくことで、領自身の心も救われていく。
簡単に説明してしまえば、そういったお話し。

クラブで働くようになり目の輝きが戻ってくるあたりの演技は、松坂桃李の演技に素直に感動できた。
批判に晒されることは承知だったはずで、この話よく受けたなと別の意味でも感慨深い。
あと原作の石田衣良さすが。
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