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ドリス・ヴァン・ノッテン ファブリックと花を愛する男のbibooのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

映画を見て個人的に感じたドリスの印象としては、「自分の洋服は着る人と一緒に成長して欲しい」と言っていたり、人の反応や人の意見、職場の環境とか、とにかく「人」を大切にしてる人なんだなと感じた。
物づくりやファッションに対する目線も突飛して高すぎない、顧客と割と近い目線でいる人なのかな。やはりデザイナーは繊細で情に厚い人が多い。

メンズに対しては自分の好きなものを自由に投影してたりするけど、女性に対しての提案が割と明確で特定の人物を出したり具体的。(自分がなりたいとかではなく)「女性」という生きものへの憧れがある人なのかなとも思ったりした。

メンズとウィメンズの制作はそこまで違わないと言ってたけど、コレクションのデザインを見ても細かい精神的なところは分けてるような気がする。だいたいのデザイナードキュメンタリーを見ると、回転の激しいファッション業界の中で作り続けることがめちゃくちゃしんどそうに見えるけど、
ドリスはクリエイティブやアウトプットを周りの人とのコミュニケーションと一緒に繊細に楽しんでるように見えた。
楽しまないとやってられないからだとも思うし、「トレンドを追わないこともある」という言葉のように売れるものと自分がやりたいこととの狭間での苦しみもありそうだったけど、『服を作ることが好き』というのが根本にあることを常に言葉から感じられた。
「疲れる、万事順調なんてことはない」
「疲れた時は我慢かな」という繊細なドリスが、生涯のパートナーとしてパトリックという人物に出会い彼がずっと連れ添いそばにいてくれて勝手ながら良かったなと思った。


ドリスのコレクションといえば色彩であるけど、ドリスヴァンノッテンの鮮やかさや気品のあるしなやかさは、インドに刺繍を依頼していて着想を得ているからかと、初めて知った。
色が好きだからインドという国を選んだんだのかな。妖艶で上品なインドのファブリックカルチャーが好きなら、少しスタンスは違うけど台湾の色彩とかも好きだったりしないのかな。
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