Jin

カメラを止めるな!のJinのレビュー・感想・評価

カメラを止めるな!(2017年製作の映画)
4.0
“これが映画なんだよ!嘘が1つもない!”

さえない映像監督が、「ワンカット生放送のゾンビ番組を作る」というムチャぶりに食らいつき、ドタバタの撮影を裏側から捉えたコメディ。


脚本が上手。
低予算だからこそ、CGや装飾、ロケーションに頼らず、映画に登場する狭い世界を完璧かつ緻密に把握することで辻褄を合わせた、お見事な映画だった。
登場人物のキャラも丁寧に作られてたし、その脚本を実際に撮影する苦労がすごかったと思う。

いきなりゾンビ映画が始まり、35分くらいでエンドロールが流れ出すという斬新な始まり方も良かった。
その35分でいくつの違和感を見つけられるかが、いっぱい映画を見てるかどうかで分かれるのかなぁ。観てるこっちを試してる感じもする。

その不自然さを次々に回収していく怒涛の後半戦、「裏側をみせる」って大変だと思うし、その中でこちらの予想を裏切るのも難しいはずなのに、まんまと転がされて楽しかった。
ドタバタの答え合わせは三谷幸喜っぽくもあるかも。


ただ、この手の映画は何度見てもそれなりに笑えると思うけど、初見の衝撃は超えられないと思う。

そして、低予算な日本の映画業界特有のチープ感が前提にあるから笑えるんじゃないかな。ある意味で日本らしい映画なのかもしれないなと思った。

この監督の次回作に凄まじいプレッシャーがかかりそう。

メイキングでまた笑った。裏側を撮る映画って大変だろうなぁ。

娘と父のハートウォーミングにする必要はあったのかな?しっくりはきたけど。
Jin

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