回想シーンでご飯3杯いける

カメラを止めるな!の回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

カメラを止めるな!(2017年製作の映画)
4.2
実は少し前に観ていたんだけど、あまり早い段階でレビューを公開するのも無粋かと思い、敢えて暫く放置してた(笑)

結論から言うと、評判に偽り無しで、近年希に見る傑作だと思う。似た作品として真っ先に頭に浮かんだのは、内田けんじ監督の「運命じゃない人」と、三谷幸喜の「ラヂオの時間」。他に「サマータイムマシン・ブルース」や、もちろん「ショーン・オブ・ザデッド」も。それら作品から得たインスピレーション、或いは意図的なミスリードを内包しながら、観客の期待を上回る展開を作り出した、本当に面白い作品だ。

涙が出るほど笑ってしまうコメディである事は、他の皆さんが書かれている通りだが、加えて、映画業界に対する強烈な毒を併せ持っている所も良い。アパホテルの社長みたいな女性(プロデューサー?スポンサー?)って、結局最後までピントがぼけた事ばかり言う描写で、誰かモデルになっている人物がいるんじゃないかと思ったり。

そうした毒の部分も含め、無名監督と役者でも、こんなに色んな感情を表現できるんだという事を証明してくれた。その影響が、メジャー作を含む他の日本映画にも広まっていけば良いと思う。