JT

ベン・イズ・バックのJTのレビュー・感想・評価

ベン・イズ・バック(2018年製作の映画)
3.8
愛の暴挙

2019 . 60 - 『Ben is Back』

薬物依存症の息子とその母親を描いた作品
薬物が題材の作品で最近だとティモシー・シャラメ
主演の『ビューティフルボーイ』が記憶に新しい
どちらも重みのある作品だが今作は母親の我が子を守ろうとする母性と愛情に溢れた映画だ
暴走する愛を全面で表現した母親を演じる
ジュリア・ロバーツの演技にただただ圧倒された
その愛情はもはや暴挙的で気が気でない感じが表情や言動から常に伝わってきて居心地が悪くも感じる
それは紛れもなく愛なのだけど依存のような過保護のような過剰なものにも捉えられて
それは本当に愛なのか疑いたくもなった
息子を演じたのはルーカス・ヘッジズ
最近だと『ある少年の告白』で繊細な演技を魅せた
彼の演技は今作でもとても際立っていて
依存症であることからその佇まいだけで不安な様子が見てとれるし胸騒ぎすら感じてしまう
そして母親を見つめるその眼差しに息が詰まった
監督を務めたのがルーカス・ヘッジズの実の父親のピーター・ヘッジズで父親だからこそ描けた息子の内面とバラバラになってしまった家族の葛藤がある
心が迷子になってしまった息子は家族の元へ帰れるだろうか。母親はその愛を持って息子を取り戻せるのだろうか。愛でどこまで救うことができるのか。
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