ぽち

ドント・ウォーリーのぽちのレビュー・感想・評価

ドント・ウォーリー(2018年製作の映画)
2.9
ジョン・キャラハンの人生には興味がわくし、残した漫画にも魅力を感じるのだが、今作は正直ちょっとひねりすぎた感があり、肝心なところが伝わってこない。

変に時間軸をいじっているのも効果がなく見ずらい。もっとストレートに描いた方がよかったのではないだろうか。
それに漫画を描くようになった心情の変化や、制作の苦悩などは全部パスというのも片手落ち。

事故後に焦点を当てているが、生い立ちや8歳の時に受けた性的虐待など、彼の人格形成に大きく関わっているエピソードはスルーしている。

そして一番気になったのが、アルコール依存症の集会が後半のメインとなっていること。どう見ても依存症のリハビリというより自己啓発の胡散臭い集会に見えてしまう。
主催者を演じるジョナ・ヒルが一層胡散臭さを助長しているのは確かだ。

切り口が甘くこの人の人生を題材とするなら、もっと濃い内容のものが出来たのではないだろうか。



余談。
「私の言うとおりに投資すれば絶対儲かる」「この本を読めば億万長者」
で、そう言うアンタは億万長者?

ってのと同じで、悟りきったような態度で主人公を指導する「教祖」のような奴がどうしようもなく胡散臭い。
で、あんたは?とツッコミたくなる。

よくある自己啓発の集会などはビジネスであり、来る人は客。
結局は人に教わる事ではなく、自分で切り開くしかないと気づけない人から利益を上げる商売だ。

ま、それはそれで良いのだが、今作のように神様まで出てきてしまうと、もう新興宗教と変わりない。
ちょっと方向を間違えると「某Ω」のようになる危険性があるわけだ。

ラクエル・ウェルチのあそことかチャッキーとかごまかしても、結局信じる者は救われ、信じないものは救われないという超ご都合主義。

っていうか、ウェルチならあの「ミクロの決死圏」のぴっちぴちのウェットスーツだろ。
ぽち

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