このレビューはネタバレを含みます
子どもの頃に母親に捨てられ、里親に預けられ問題を起こしては他の兄弟が叱られる。彼はそんな人生から逃げるように飲酒に走った。
13歳からアルコール依存症。
毎日のようにジンやウォッカ、ビールに高アルコール度数の酒を混ぜて飲む。現実を忘れるために酒を飲む。
ある日、女とパーティーに出かけると、そこで出会った男と「もっといい女に出会えるパーティーに行こう」と誘われる。文字通り浴びるほど酒を飲み、酒に酔っては車で移動し、移動しては吐いて、飲む。それを何度も繰り返し、互いに意識がない状態まで酔っぱらう。
目が覚めると、胸から下が全く動かなくなった。
物語はステージで自分の人生を語るところから始まる。彼は体が全く動かなくなってから人生を見つめ直すこととなる。アルコール依存症患者の会合で出会った患者たちと触れ合い少しずつ代わる。
そして、12のステップとして人を許し、自分を許すステップを歩むこととなる。
彼は継母と継父を許し兄弟を許し、自分を捨てた母を許し、運転していたアル中の男を許し、自分を許す。
新聞に掲載した風刺画で成功した彼は徐々に「車椅子の自分」と向き合い、見つめ直し、許し、次のステップへと踏み出すことになる。
ああ、人生は身体の自由や年齢、性別や環境に縛られながら、歩む以外ないのだ。そこには感謝や謝罪を忘れてはいけない。その素直さが必要なのだ。