エマ・トンプソン演じる判事フィオナは、白血病を患う17歳の少年アダムがエホバの証人であることから、輸血拒否を巡る裁判の担当になった。
信仰の自由か、生命の自由かの難しい選択を迫られるのだった。
一方で、フィオナは夫ジャックとの夫婦関係は冷え切っており、悩みを抱えていた。
そんな中で、フィオナは入院しているアダムに直接会ってみることにした。
----------------------------------------
裁判ドラマではない。むしろ、アダムに出会うことで、フィオナが心紡ぐこと。また、アダムを通して、子どもへの思いを描いているのかなと思った。
アダムにとって、親子の繋がりは家族としてではなく、信仰という秩序を持った宗教共同体のパーツとしてしか考えられていなかった。
アダムはフィオナに恋心を抱いている?ストーカー的な部分もあった。
フィオナ自身はアダムのことを子どもだと思い、接するにつれて感情移入していった。
フィオナとジャックの間に子どもはおらず、その詳細については劇中では触れられていない。それが夫婦仲が冷え切った原因の1つだと思った。
ジャックが姪っ子2人と外で遊ぶところを窓から眺めるフィオナのシーンとか、何かあっただろうと感じさせた。
また、アダムと親の関係についての詳細もあまり触れられていないのも特徴。
劇中でフィオナが歌うアイルランド民謡『サリーの庭』がとても素敵だった。