しゅう

ゲティ家の身代金のしゅうのレビュー・感想・評価

ゲティ家の身代金(2017年製作の映画)
3.1
字幕版を鑑賞。

リドリー・スコット監督作とは思えない凡庸さで、「金のかかった再現ドラマ」に終始する残念な出来。

とにかく、この実録誘拐事件モノの肝である老富豪ゲティの人物造形が余りにも陳腐かつ記号的で、「有り余る富を持ちながらも孤独な老人」という定型から一歩もはみ出さない。

あまつさえ、終盤その事をマーク・ウォルバーグに指摘されてショックを受けて、心境が変化する場面では「今迄自覚していなかったのか?」と逆に驚かされた。

クリストファー・プラマーがこれでアカデミー賞ノミネートというのは信じられず、作品を観ずに(急な代役への)応援票を投じた人間が多数いたとしか思えない。

と同時に、ケビン・スペイシーはこの凡庸な造形の男をどう演じていたのかを見比べてみたくもなった。
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