Yoshishun

ゲティ家の身代金のYoshishunのレビュー・感想・評価

ゲティ家の身代金(2017年製作の映画)
3.4
リドリー・スコット監督による、1973年の誘拐事件を基にした作品。

映画の内容よりも重要な役所であったゲティ役の交代劇、主演のマーク・ウォールバーグのギャラ騒動が話題になり、興行は惨敗に終わった。しかし、交代後のクリストファー・プラマーはアカデミー助演男優賞など、各国の映画祭でノミネートを果たし、さらには公開1ヶ月前での撮り直しを完遂するという離れ業を成した。

しかし、この早撮りが災いしてか、クリストファー・プラマー演じるゲティの登場シーンは単調なものが多く、またゲティの過去等は一切排除され、もっと魅力的な人間として描けたのではないかと思った。つまり、重要人物の人間性が単純に描かれ、また展開が単調であることから、盛り上がりに欠けているのが正直なところ。

特に後半の救出劇はあまり緊張感がなく、ましてやゲティの結末も拍子抜けに感じた。あまりにもあっさりしすぎていて、頑固さはどこに行ってしまったのか、心情の変化が激しすぎて理解できなかった。

役者陣は全員味のある演技をしていただけに、拍子抜けなストーリーと設定が邪魔をして、作品としては特に印象に残らないものであった。R指定の理由とされる耳の切断シーンがピークだったように思う。
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