ゆうぴょん

Love,サイモン 17歳の告白のゆうぴょんのレビュー・感想・評価

Love,サイモン 17歳の告白(2018年製作の映画)
2.5
 なかなかかわいい映画だった。BLちっくなお話。
 サイモンの部屋に、ハッフルパフのワッペンが飾ってあるんだけど、サイモンの志向があらわれてるみたいで、ニヤリとしてしまった。
 主人公であるサイモンは、はっきり言うと、マイノリティの中のマジョリティーだと思う。イケてる友だちも居るし、家族も暖かく、趣味志向もクールだし、そして何よりも見た目がいい。
 作中で、カミングアウト済みのゲイの子が出てくるんだけど、こちらは、お世辞にも見た目がいいとは言えないし、趣味志向も乙女ちっくな感じ。
 マイノリティの中にも、れっきとした差別やソーシャルカーストがあって、それはマジョリティーのそれよりも、かなり苛烈だったりすると思う。たぶん、このカミングアウト済みの子は、ゲイの世界でも異端視される。存在こそ受け入れてもらえるけれど、サイモンみたいに「同級生の素敵な彼氏ゲットしちゃったよ!」とはならないんだろう。それこそ茨の道。
 サイモンの性指向がアウティングされてしまったとき、この子は「相談してくれれば良かったのに」と言うのだけれど、サイモンは「だってぼくら共通点ないし」と話す。サイモンは同じく「君に嫉妬してたのかも」とも言うけど、それは語弊があるように思う。ソーシャルカースト的には、サイモンは、彼よりも上に居ると思うし。
 お話がライトな感じなので、そこまでは切り込まなかったのかもしれないけれど、ノーマルやスタンダード、もしくは人にウケる、モテるなんて価値観はマイノリティの中にもあって、そこに当てはまらない人たちも沢山居るんだってことが、ちょっと切なくなった。
 
ゆうぴょん

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